痴の巨人、読書感想文を書く

病がかった「知」性が加速する読書備忘録

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

痴の巨人、バルザックを読む④~セザール・ビロドー ある香水商の隆盛と凋落~

1.経緯 倒産や清算といった法的な局面における人間模様の観察ないし考察を行う題材として拝読。 セザール・ビロトー 〔ある香水商の隆盛と凋落〕 (バルザック「人間喜劇」セレクション(全13巻・別巻二) 2) 作者:バルザック,Balzac,BALZAC 藤原書店 Amazo…

痴の巨人、太宰治を読む①~『ア、秋』~

1.経緯 4連休の最終日に、つまらぬものをネットサーフィンで見てしまった。そこで、痴の保養のため、手早く名文に触れたく思い、太宰治の短編を読んだ。 2.内容 秋をタイトルとしているものの、詩材からその叙述が開始される。 内容はよくわからない。 …

痴の巨人、バルザックを読む③~骨董室手形偽造物語~

1.経緯 名編集に含まれる短編集であるため、拝読。 金融小説名篇集 第7巻 (バルザック「人間喜劇」セレクション) 作者:バルザック,Balzac,BALZAC 藤原書店 Amazon 2.内容 名家のバカ息子が都会で美人に入れ込んで手形偽造にまで手を付けてしまったため、…

痴の巨人、バルザックを読む②~ゴプセック~

1.経緯 金融小説名編集に含まれていたため、拝読。 金融小説名篇集 第7巻 (バルザック「人間喜劇」セレクション) 作者:バルザック,Balzac,BALZAC 藤原書店 Amazon 2.内容 (1)特徴 手形の割引人をしているゴプセックの身の回りで起きた悲喜劇がデルヴ…

痴の巨人、バルザックを読む①~「ニュシンゲン銀行」偽装倒産物語~

1.読書の経緯 私がニュシンゲン銀行を初めて手にしたのは、投資会社に入って1年目の頃であった。このとき、私は、貪るようにして読書に励んでいた。清水一行、池井戸潤や真山仁といったポップなものからは卒業し、読書の対象は、ドストエフスキーやスタン…